中国のアブナイ環境(その2)〜30秒に1人“先天性障害児”が誕生
「6本足の豚」「羽がある猫」・・・異変は人にも
2007年12月7日 金曜日 北村 豊
■毎年80万から120万人の先天性障害児
2007年1月11日に中国が発表した「国家人口発展戦略研究報告」によれば、中国では毎年80万〜120万人の先天性障害児が生まれており、これは新生児総数(約2000万人)の4〜6%を占めているという。中国では毎年肉眼で確認できる先天性奇形児が20万〜30万人生まれているが、これに出生後数カ月あるいは数年で欠陥が認められる先天性障害を含めると、その総数は80万〜120万人に上るというのである。しかし、調べてみると、2002年7月20日付の人民ネット日本語版にも「先天性障害児、中国で毎年80万〜120万人が出生」と同じ数字が掲載された記事があり、この記述は4年以上前のデータに基づくもので、現在の数字はもっと増大しているものと思われる。
「中国婦幼衛生監測ネット」のモニタリング結果でも、2001〜2006年の全国における“出生欠陥”の発生率は、出産1万件当たりで104.9、111.2、129.8、128.4、139、145.5と急激に上昇している。年間に120万人の先天性障害児が出生しているということは、ほぼ30秒ごとに1人の先天性障害児が出生していることを意味するが、その間隔は年をおうごとに短くなっている。
中国には2006年4月1日時点で身体障害者が8296万(全人口の6.34%)いるが、このうち先天的原因によるものが20%前後(1600万〜1700万人)を占めているという。ちなみに、この先天性障害児120万人の内訳は、先天性心臓病20万人、神経管奇形(無脳症、二分脊椎、水頭症など)10万人、口唇裂5万人、ダウン症3万人などとなっている。
■「持続可能な社会・経済の発展にも悪影響」
こうした先天性障害児の30〜40%は出生後数カ月以内で死亡し、40%は障害者として一生を送ることになり、20〜30%だけが治療を通じて正常に戻る可能性があると専門家は述べている。
中国衛生部の統計によれば、先天性障害児は全国の10分の1の家庭に影響を及ぼしており、国家は毎年数千億元の財政負担を強いられているという。このため、中国国家人口・計画育成委員会の副主任が「このような状況が続けば、中国の持続可能な社会・経済の発展に悪影響をもたらすので、早急に対策を講じなければならない」と述べたと2007年10月30日付の英字紙“China Daily”は報じている。
全世界では毎年約500万人の先天性障害児が誕生し、その85%を発展途上国が占めているが、中国の年間80万〜120万人という数字は中国が全世界総数の16〜24%を占めていることを意味する。中国政府は“中国は先天性障害児の高発生国の1つである”と述べるにとどまっているが、先天性障害児の発生数世界一は間違いなく中国だろう。先天性障害児の急増を懸念した中国政府は、2005年に9月12日を「出生欠陥予防日」とすることを決定し、2006年を初年度としてこれを実施した。
2年目となった2007年9月12日にも、中国全土で地元の衛生・保健関係当局によって先天性障害児の出生を予防する宣伝活動が展開された。
■先天性障害児の出生予防とは
先天性障害児の出生予防とはどういうものか。かつて中国では結婚する男女は婚前検診が義務づけられていたが、2003年10月1日から施行された「婚姻登記条例」によって婚前検診は免除となった。従来は婚前検診によって性病を含む婚姻に不都合な異常を判別することができたが、これが全く機能しなくなったことから、婚前検診の重要性を訴える。さらに、妊娠後の定期検査で胎児の異常を判別することの重要性を説くことで、定期検診の実施を促すというものである。
それでは、先天性障害児が増加している原因は何なのか。2007年9月13日付のBBC中国語版は、“China Daily”が「国家婦幼保健センター」の専門家の言葉を引用して“出生欠陥発生率が上昇した主要な原因は環境汚染、不健康な生活方式及び高年齢出産である”という記事を掲載したと報じている。
■国際環境組織の見解
一方、2007年9月21日付の自由アジア放送は、米国のワシントンD.C.に本拠を置く国際環境組織「地球政策研究所」のジャネット・ラーセン調査部長の“中国の環境汚染がもたらす胎児への影響に関する見解”を次のように伝えている:
ある種の環境汚染が胎児を蝕み、身体の欠陥をもたらすことは医学界ではとっくに知られていた。中国最大の汚染源は石炭焚の発電所で、大気中に有毒な水銀を大量に排出する。水銀は非常に容易に母親の血液から胎児の体内へ入り込む。これとは別に、大気中の水銀は河川にも流入する。中国人は大気、水源、農作物などから有害な水銀やその他の汚染物を吸収しているので、胎児や既に出生した子供に限らず成人も含めた誰もが被害を受けている。
2004年12月7日付の新聞「南京晨報」は、2004年1〜11月において先天性障害児の出生率が以前に比べて増大しており、その主要原因は環境汚染で、とりわけ室内汚染に起因するものの増大が顕著であると報じた。南京大学現代分析中心の室内環境検査測定所が事務所や住宅など300カ所を測定した結果、室内のホルムアルデヒドが基準値を超えたものが90%、ベンゼンを含む揮発性有機化合物(VOC)の基準値超過が85%、ラドンや石材、磁器の放射性が基準値超過あるいは安全値に近いものが10%を占めていた。このような生活の中に潜む“危険要素”も胎児にとっては先天的欠陥の発生をもたらすものである。
これら有害物質を含む建材なども生活水準の向上に伴い増大したものだが、利益至上主義で基準値超過を一顧だにせず、健康被害をもたらす製品を製造する業者がいかに多いかが、ホルムアルデヒドやVOCの基準値超過比率の異常な高さに表れている。
■フィナンシャル・タイムズの記事によると
2007年7月2日付の英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、2007年3月に世界銀行が発表した中国環境汚染問題研究報告書「中国環境汚染の損失」の内容の3分の2以上が、社会不安を引き起こすことを危惧した中国当局の圧力で公表されなかったことをすっぱ抜いた。同報告書は、大気汚染・水汚染によって中国にもたらされる経済損失は毎年1000億ドル相当で、中国の国内総生産(GDP)の約5.8%を占めることを明示したものであった。
同記事には公開されなかった内容には次の項目が含まれているとしているが、筆者にはこれらの数字もかなり過小なものに思える:
[1] 中国では大気汚染・水汚染で毎年75万人が非正常な形で早死にしていると推定される。
[2] 都市の大気汚染によって毎年約39万4000人が早死にしているし、石炭及び食用油による室内の空気汚染で毎年約30万人がそれぞれ早死にしている。
[3] 農村地区では水汚染によって年間約6万6000人が下痢、胃ガン、肝臓ガン及び膀胱ガンで死亡している。
2006年7月18日、国家環境保護総局の周生賢局長は完全な調査結果ではないという前提の下、中国では約1000万ヘクタールの耕作地の土壌が汚染されており、さらに汚染された水で灌漑されている耕作地が216万7000ヘクタール、固形廃棄物放置場所や放置された耕作地が13万3000ヘクタールあり、これらの合計は耕作地総面積の10分の1以上を占め、主として経済発展地区に集中していることを明らかにした。
汚染物質には、銅、水銀、クロム、カドミウム、鉛などの重金属及び放射線元素や砒素、フッ素化合物などの無機物と、各種農薬やフェノール類、青酸化合物、石油類などの有機物があり、これらによる土壌汚染の被害は甚大なものとなっている。
全国で毎年重金属により汚染される食糧は1200万トンに上り、直接的経済損失は200億元(約3000億円)を超えていると推計されるという。
土壌汚染は農作物中に有害物質を蓄積せしめ、食物連鎖を通じて人体に入って各種の疾患をもたらすのみならず、胎児に出生欠陥を惹起して先天性障害児を増大させる。人命に多大な影響を及ぼす重大な問題であるにもかかわらず、中国ではいまだに土壌汚染防止に関わる法律が整備されておらず、国民の土壌汚染に対する認識は極めて低い。従い、大気汚染、水汚染といった目に見える環境汚染に対する関心はますます高いものとなっているが、目に見えない土壌汚染に焦点が当たることは、その蓄積が徐々に深刻化する被害実態とは裏腹に依然として少ない。
■6本足の豚 透明なカエル 羽のある猫?
先天性奇形は人間にとどまらず、動物にも現れているが、中国ではそれが特に顕著なものとなりつつあるように思われる。最近の例を挙げると以下の通りである:
[1] 江蘇省連雲港市で、2007年3月に6本足の子豚が生まれたが、その翌月の4月には4本足のヒヨコが生まれている。
[2] 2007年5月、天津市河東区で透明なカエルが見つかる。
[3] 2007年6月、背中に天使の羽のような大きな突起がある“天使猫”が陝西省及び四川省で発見されたと報じられた。同様の猫は2005年6月にも河南省で発見されている。写真で見る限りでは、羽状の突起がある以外は普通の猫と何ら変わりない。
[4] 2007年10月、重慶市九龍坡区楊家坪で6本足の牛蛙が見つかる。形状は右前足が1本、左前足が3本、後足が左右各1本の合計6本。
これらは中国全土で出現している動物の変異のほんの一部に過ぎない。こうした変異をすべて環境汚染に起因するものと断定することはできないが、中国政府が真に国民の将来を考えるなら、一刻も早く経済優先から環境優先へ舵を切り、環境汚染防止に心血を注ぐ必要がある。これ以上の先天性障害者の増大を食い止めるには、抜本的かつ全面的な環境汚染対策が不可欠である。
(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)
毒餃子問題であるが、通常の製造工程を調べても、悪意をもったテロであれば結局は原因不明で幕を閉じるのではないだろうか?
結局、中国製品の信頼性が低いことなど分かりきった話で、1年ほど前からその危険性がメディアでようやく語られるようになったのだが、いつの間にか白い恋人や赤福の問題(誰かが直中毒を起こしたわけでもない)に摩り替わっていた。我が国メディアは北京五輪を前に中国共産党から何かを言われていたのではないか?と勘ぐってしまうほどだ。
ご紹介した北村氏のレポートを読めば、事態の深刻さは毒餃子にとどまる話ではないことが分かるだろう。中国では農作物を生み出す国土の全てが汚染されている。その汚染の根底にあるのは中国人の利益優先の姿勢だろう。環境対策をする金が勿体無い。儲かれば何でもいい。
また、以下の大紀元の記事を読めば中国における常軌を逸した食を取り巻く環境の一端が垣間見える。そこには一切の常識も良識もモラルもない。
中国製食品による深刻な健康被害=驚愕の中国製有毒食品の実態(1)中国製食品による深刻な健康被害=驚愕の中国製有毒食品の実態(2)
文化大革命でただでさえ少ない道徳心を失い、そこに資本主義が導入され金儲けがあらゆることに優先され、さらには反日教育で日本人に対するレイシズムを醸成した中国は我が国にとって危険な存在であり続けるだろう。多くの日本人がこうした中国の実態について知らなければならない。
それにしても中国共産党の北京五輪を前にした慌てぶりは滑稽であるが、すべては自らが播いた種である。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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